肝臓をはじめ、内臓は、腹膜という袋の中に入っています。
この腹膜に、水がたまる症状が「腹水」で、末期の肝硬変などで、よくおこります。
もともと、体中を流れている血液は、水分をもとに、さまざまな成分が含まれています。
また、血液の通り道である血管は、常に内側の浸透圧を一定に保ち、血液の濃度を保っています。
これは肝臓で代謝される、アルブミンという、たんぱく質のおかげ。
末期の肝硬変などで、アルブミンの生成がうまくいかなくなると、血管内の浸透圧が変わり、血管の外に水分が流れ出します。
この影響で、腹水がたまったり、体がむくんだりする症状があらわれます。
腹水がたまるのは、肝臓の機能がかなり低下している証拠。
腹水がたまる前に、いかに肝機能を戻せるかが、その後の治療のカギになります。
また、たまった腹水がコントロールできるかもとても重要。
コントロールができない腹水があると、外科的治療もしにくくなるので、とくに注意が必要です。
腹水がたまる病気の代表的なものは、まず肝硬変。
肝硬変になると、3年以内にその60%が、腹水がたまるといわれています。
また、肝臓以外の病気でも、腹水の症状が出るものがいくつかあります。
・がん性腹膜炎
これはがんが腹膜に転移したものです。
・ネフローゼ症候群
低たんぱく血症により、腹水がたまります。
・心不全
心臓弁膜症によるものの場合、腹水がたまります。
肝臓病による腹水の場合、黄疸などの症状も出るので、診断の目安になります。
また、腹水の症状が出ている場合、むくみを併発していることも多いもの。
これらも血管内の浸透圧の影響によるものです。
いずれにしても、腹水は治療の必要があります。
症状が出たら、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。